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ASD(自閉スペクトラム症)に向いている仕事は?働きやすい職場の選び方を運営者が解説

静かなオフィスで書類を確認するビジネスパーソンの男女

「ASDの自分に合う仕事が分からない」「職場の人間関係や急な変更がつらい」ASD(自閉スペクトラム症)のある方は、仕事の内容だけでなく、仕事の流れや職場の環境が合うかどうかで働きやすさが大きく変わります。

この記事では、障害福祉の就労支援事業所を11年運営し、利用者さんの就職や職場定着を支援してきた立場から、ASDの特性と相性のよい仕事、つまずきやすい環境、働きやすい職場の選び方を解説します。

目次

ASDの特性と仕事の相性

静かな席でデータ入力に集中するビジネスパーソン

厚生労働省の資料では、自閉症やアスペルガー症候群などに共通する特性として、次のようなものが挙げられています。現在は、これらをまとめて「自閉スペクトラム症(ASD)」と呼ぶのが一般的です。

  • コミュニケーション:言葉の裏の意味や、あいまいな指示を読み取るのが苦手なことがある
  • 対人関係・社会性:相手の気持ちや場の雰囲気をくみ取るのが難しいことがある
  • パターン化した行動・こだわり:決まった手順を守るのが得意な一方、急な変更が苦手なことがある

出典:厚生労働省「発達障害の理解のために」

このほか、音や光などに敏感な人もいます。特性の現れ方は人によって大きく違うので、「ASDだからこの仕事」と決めつけないことが大切です。

私たちが支援してきた方の中では、納期が長いデータ入力作業が比較的合っていたケースがありました。時間に追われず、決まった作業を自分のペースで正確に進められることがポイントです。

ASDに向いているといわれる仕事の例

タイプ仕事の例相性がよい理由
正確さを活かす仕事データ入力(納期に余裕があるもの)、経理補助、検品決まった手順を、自分のペースで正確に続けやすい
専門性を活かす仕事プログラマー、テスター、研究補助興味のある分野に深く集中できる
一人で進める仕事清掃、軽作業、書類整理対人のやりとりが少なく、自分のペースを保ちやすい

※向き不向きは個人差が大きいため、一覧はあくまで目安です。

ASDの人がつまずきやすい仕事・環境

  • 複数の部署や人をまたいで作業が流れる仕事
  • 臨機応変な対応が求められる接客・電話対応が中心の仕事
  • 指示があいまいで、担当者によって言うことが違う職場

同じデータ入力でも、仕事の流れによって働きやすさは変わります。他部署から回ってきたものに入力し、それをさらに別の部署に回すといった業務では、混乱してストレスが大きくなってしまったケースがありました。職種名だけで判断せず、「その仕事が誰から来て、誰に渡るのか」まで確認しておくと安心です。

ASDの人が働きやすい職場の選び方

職場見学で担当者から説明を受けるビジネスパーソン

仕事内容と同じくらい大切なのが、誰と働くかです。見学や面接では、実際に配属される予定の上長や担当者に会えるかを確認しましょう。その人と話して「この人なら相談できそう」と思えるかが、最初のフィルターになります。人事担当者としか会えない場合は、判断材料が足りません。

  • 仕事の手順やマニュアルが整っているか
  • 指示を出す人が決まっているか
  • 仕事が誰から来て、誰に渡るのか、流れがシンプルか

「これお願いね!」と明るく伝えてもらう配慮

指示がわかりやすいに越したことはありませんが、もうひとつ効果があるのが、「これお願いね!」と明るく伝えてもらうことです。過剰である必要はありません。些細なことですが、相手の表情や声のトーンから「あれ?作業を間違えている?」と、変な迷路に迷い込んでしまうことがあるからです。配慮をお願いするときは、こうした伝え方についても相談してみましょう。

長く働くために大切なこと

就職して長く働き続けている人に共通しているのは、勤怠が安定していることと、自分の不調のサインと対処法を知っていることです。調子を崩す前の兆候が分かっていれば、会社も協力しやすく、立て直しの見通しも立てやすくなります。

仕事選びに迷ったら、専門の支援を使う

自分に合う仕事が分からないときは、ひとりで探さずに専門の支援を使うのが近道です。働く準備から整えたい人は、発達障害に特化したコースのある就労移行支援が選択肢になります(「発達障害におすすめの就労移行支援ランキング」)。すぐに求人を探したい人は、障害者専門の転職エージェントに相談しましょう(「障害者雇用に強い転職エージェントおすすめ比較」)。

自分で求人を探したい方は、求人検索・スカウトサービスのatGPも使えます。

よくある質問

Q. ASDとADHDを併発している場合、どちらに合わせて仕事を選べばいいですか?

診断名で分けて考えるより、自分の特性そのものに目を向けるのがおすすめです。私たちが見てきたケースでは、ASDでもADHDでも、作業に迷う要素がなく、仕事の流れがシンプルな業務が合っていることが多くありました。ADHDの方に向いている仕事は「ADHDに向いている仕事は?」で解説しています。

Q. 障害者手帳がなくても障害者雇用で働けますか?

障害者雇用枠の求人は、多くの場合、障害者手帳を持っていることが応募の条件になっています。企業が障害者雇用率に算定できるのが、原則として手帳を持っている人だからです。ASDの場合は、精神障害者保健福祉手帳、または知的障害を伴う場合は療育手帳が対象になります。手帳の申請については、お住まいの市区町村の窓口で確認してください。

まとめ

  • ASDの特性は人によって違うので、「ASDだからこの仕事」と決めつけない
  • 納期に余裕があり、自分のペースで正確に進められる仕事は合いやすい
  • 同じ職種でも、部署をまたいで作業が流れる業務は混乱しやすい
  • 「誰と働くか」と、明るく伝えてもらうなどの小さな配慮が働きやすさを左右する

一言でASDといっても、特性はバラバラです。改めて、自分は何が苦手で何が得意か。さらに、苦手だけど我慢できることと、苦手で我慢できないことまで把握できたらベストです。自分に合う求人は必ず見つけられます。今この瞬間に合う求人がなくても、諦めないでください。

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